第6章【再戦】

4/9
前へ
/181ページ
次へ
日本刀の男は、構えからすると右利きのようだ。 とすると、俺が先に動いた方が良さそうだな。 言葉は交わしてはいないが、同じ空手道場出身の年雄もそれは感じているだろう。 俺は構えをスイッチして、相手の右側から背後に回り込もうとした。 日本刀の男は、俺の動きを瞬時に見切り、日本刀を野球のスイングのように水平に振り、俺に斬りかかった。 年雄は相手がそう出てくることを予測していた。 相手がそう動くと同時に、年雄は日本刀を持つ手にめがけて蹴りを放った。 日本刀を振る手が一瞬止まり、相手は顔をしかめた。 俺は、その隙に相手の背後に回り込み、後ろから相手の両肩を掴み、引き込むと同時に背骨に飛び膝蹴りを入れた。 それを見て年雄は、仰け反って無防備になった相手の腹に、飛び横蹴りを突き刺した。 「グワッ!ガハ~ッ!」 日本刀の男は嘔吐した。
/181ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加