第1章【桜の季節】

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「年雄、早く起きないかな…」 病室のベッドで寝ている年雄を見ながら雅昭が寂しそうに言った。 年雄はもう半年近くも眠りから覚めない。 医者の話だとショックとストレスが原因みたいだが、特に病名はないようで、時間が解決するしかないらしい。 「また三人で釣りしたいな。」と雅昭が寂しさを紛らすように明るい声で言った。。 俺は「そうだな。」と頷き、「もう一度あそこに行ってみるか。」と独り言のように呟いた。 そして心の中で「まずは『福成龍飛』あの人に会わないと」と自分に言い聞かせた。
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