Posthumous novel

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冴子は身内からの評判がとてもいい。 正に良妻の鏡だと言わんばかりの評価を仲間たちはくれる。 しかし俺にとっては、そんな素晴らしいはずの妻を愛せないという心事が柵となっていた。 表面的には仲のいい夫婦を装っているから、古くからの親友である翔太たちも俺の本心を知る事はない。 11月23日。 勤労感謝の日でもある今日は俺の28歳の誕生日だ。 冴子は来月から仕事を始めるため、時間にゆとりのあるうちにと俺の帰省に同行した。 しかし俺は、そんな妻をほったらかしにして翔太たちと会う事を選んだ。
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