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「どんなゲームだろうな?ゲームの世界に飛び込むって」 どこかで聞かれているなんてことはないと思うが、なんとなく。 そのゲームを作っている会社にいるからか、小さな声で話しかける。 「うーん…正直胡散臭いCMだよねぇ。そりゃあゲームの中に自分が入れるってのは昔から夢みてたけど…実際はゴーグルみたいなのをつけるだけとかのゲームなんじゃないかなぁ」 どうやらミサキも気まずさがあるようで小声で答えた。 「同じ感想」 「気が合うねぇ~!」 エレベーターのことと言い、感覚というか考え方というか…似ているのだろうか? とは言えどちらの事例も別段珍しい考えでもないように思えるので、これだけで判断するのも早急すぎるだろう。 「けど…もしかしたらって期待も…」 「拭えないよね!」 俺とミサキはそう言って、顔を見合わせて笑った。 そして、それと同時に、いかにも社員ですといった風貌の男性が、前方の壇上に上がった。 どうやら時間通りに説明会は始まるようだ。
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