─誤算─ Act2.

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母親とは、十年間ずっと音信不通だったというわけではない。 最後に顔を見たのは、十九歳で大学を受験した頃のことだ。 願書には保護者の署名が必要だった。 その時はまだ、代筆してもらうという手は思い浮かばなかった。 定時制高校では、期間短縮修了を認めてもらえた。 それらを電話で告げ、郵送でやり取りをすることになった。 戻ってきた願書は、誤記入した日付を二重線で訂正してあった。
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