194人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
それは、負けのないゲームのはずだった。
どうしてこんなことになっちまったんだ。
--------------------
二月中旬の夜半、都内某所の雑居ビルの非常階段。
オレは、その踊り場に張り込んでいた。
かれこれ一時間ほどになる。
日中はそうでもなかったが、冷たい風が吹いている。
遠慮がちなクシャミが聞こえた。
続いて、鼻水をすする音。
「花粉症?」
聞くまでもないことを聞いてみる。
最初のコメントを投稿しよう!