─誤算─ Act1.

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それは、負けのないゲームのはずだった。 どうしてこんなことになっちまったんだ。 -------------------- 二月中旬の夜半、都内某所の雑居ビルの非常階段。 オレは、その踊り場に張り込んでいた。 かれこれ一時間ほどになる。 日中はそうでもなかったが、冷たい風が吹いている。 遠慮がちなクシャミが聞こえた。 続いて、鼻水をすする音。 「花粉症?」 聞くまでもないことを聞いてみる。
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