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不幸中の幸いだったのは、訂正印なしで願書を受理してもらえたことだ。
その後は連絡を取ることもなく、受験勉強に没頭した。
母親のことも男のことも、努めて考えないようにしていた。
オレから母親への最後の連絡は、合格を告げるメールだ。
学費は自分で出すことになっていたが、それくらいは伝えておこうと思った。
それに対する返信を、今でも忘れることができない。
『あんたのせいでまた彼氏に逃げられた』
その後、二度と母親に連絡をとろうとは思わなかった。
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