─誤算─ Act3.

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もちろん、思ったことを顔には出さない。 曖昧に笑んでやり過ごした。 「それにしても、ケータイの番号、変えないでいてくれてよかったわ。 いい時代になったものねえ」 伯母は娘の腹積もりになど、まるで気がついていないようだ。 オレはふてくされた女の顔を横目に眺め、茶をすする。 「奈々ちゃん、会うたびに暁くんのこと自慢してたのよ。 うちにあった古いアルバム、懐かしそうに眺めててねえ」 笑わずにはいられなかった。
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