prologue

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加護を求める幼子のような香り。 神聖なフランキンセンスの香り。 雨の夕暮れを彷彿とさせるメランコリックな香り。 その時々で絶妙に変化する。 『許可はいらないよ。この唇はもう君の物――』 なお悪い事に そいつは僕に語りかけてくる。 物憂い 幼い うっとりするほど甘やかな声音で――。 その度 僕の胸は鼓動を止める。 彼はまさに ――毒の花だ。
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