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16歳のロリータ――。
彼女の気持ちを弄ぶつもりなんて毛頭ない。
罪悪感だってもちろん持ち合わせてはいるさ。
どんな理由があれ女性を手玉に取るなんて、僕の美学に反する。
それでも僕が一心に
彼女の柔らかい髪を撫で
頬ずりさえして見せるのは――。
目の前の少年の瞳に
嫉妬の色が浮かぶのを見ていたいからだ。
確かめるように何度も覗きこむ。
その真黒な瞳が揺らぐのを。
物欲しげに紅い唇を噛み締める
その小さな前歯を――。
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