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外はひどい嵐だった。 ブラン・ド・ブランが運ばれてきて 食後にカードゲームをすることになった。 といっても梢の手前、オールドメイド――ただのババ抜きだ。 どうせ子供のお遊び。 たかをくくった僕の目の前で 曲者の長男の瞳が 悪戯にらんらんと光るのが気になった。 だけどまさか――。 「カードゲームする時――我が家には特別なルールがあるんだよ」 和樹の声はこころなしか上ずっていた。 「ああ、勝者の命令は絶対――」 雪のように白い顔して 天宮家の次男がその後を継ぐ。
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