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「――女だからって手を抜いた?」 1回戦。 梢を勝たせて僕は天宮征司に敗れた。 「いいえ」 「そう。後悔しなければいいけど」 背後から僕の肩をなぞる冷たい指先。 そこから感じたのは 電流のように流れ込んでくる 『敵意』――そのもの。 「そんなに緊張しないで。言ったでしょう?僕らも大人になった――分別ある命令をあなたに下しましょう」 優雅な仕草。 自信に満ちたまなざし。 完璧な紳士性を持ち合わせているからこそ垣間見える――。 退廃的な彼の素顔。
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