64人が本棚に入れています
本棚に追加
「九条さん――僕はあなたの大きな秘密を知っている」
唐突に天宮征司が言った。
「大きな秘密?」
僕はたいたいして隠し事なんてない、つまらない人間だ。
だからすぐに
和樹の事だと分かった。
すぐそばにいるのに
見つめるだけで切なくなるぐらい
愛おしい――彼の存在。
「何のことを言っているのか当ててください」
きっと彼も気づいている。
「そしてその秘密を――今ここで告白してください」
分かっていて僕を試しているのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!