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「もしあなたの告白した内容が僕の思っているものと違った場合――あなたの秘密は、僕の口からどこに漏れるかは分かりません」
挑発か――。
いや脅迫と言う方が正しいかもしれない。
真実を語れば間違いなく潰される。
だが嘘をついても一貫の終わりだ。
さてどうするか――?
「分かりました」
僕は二つ返事で答える。
考え込んでいる時間さえ
付け入られるには十分な条件だから――。
「征司くん、君が握っている僕の秘密というのは――きっと真実だ」
その直後――傍で見ていた次男が
たおやかな外見には似つかわしくない軽薄な口笛を吹いた。
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