第1章

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「全てゲーム・バランスを考えなきゃいけないってことよ。それも、一見フェアに見えるけど、実際は奴らにとって有効な方法ってヤツをね。飛鳥の話は理屈ではあってるけど、この2点を考慮するとバランスが悪いからそのまんまはありえないでしょうね」 「じゃあ何かい、エンターテイメント性っちゅーんやったらパラシュートで降下してくるとでもいうんかいっ」 「この島のどこに広大な落着地点があるのよ。ほとんど森かお屋敷か住宅地だぞ?」 「だけどヘリはアリかもな」  拓がようやく顔を上げた。そして地図を指差す。 「この島で上陸できる場所は港と煉獄の隠し船着場だけだろ? 二箇所なら俺たち二手に分けて対処ってなる。だがインパクトはない、なら人数は少なくてもヘリはありえるんじゃないか? 役場前なり紫条家本館の前なら小型ヘリなら降りられると思う」  港と煉獄に分かれたところに少人数でも向背を突くようにヘリが現れれば拓たちは一気に形成が不利になるし劇的だ。そういわれ、サクラが「あっ」と声を上げる。 「そういえばあるジャン。この島にヘリポート!」 「何!?」 「……どこやそれ?」と飛鳥。 「アホか! 昨日の事も忘れたンかい! 東館の庭にヘリポートがあっただろーがっ!」 「あーーーーー! そやったそやった♪」 「そんな場所、初めて聞いたぞ。行けるのか? 広いのか?」 「広いでぇ~ そやな、小学校の校庭の1/3くらいやろか?」  と、ぱっと聞いただけでは分かりづらい説明をさらりと言ってのける飛鳥。案の定具体的な広さはわからないが、とにかく周りに邪魔する木もなくヘリポートとしてマークがついてあるというくらいだからヘリは間違いなく降りてこられるだろう。 「普通には入れない。あたしたちはあたしが空飛んで、飛鳥ひっぱりあげて入ったけど他にそこを出入りする入り口は地下エリアで、さらにいえばあのユーサムリッドの第二研究所に通じる、言わば地下エリアでもグレーゾーンの多い場所だから元々テレビ局も入れなかったと思う。 ……そっか、そういう事か……」  サクラの中で絡まった思考の糸が一本に?がった。 「あのヘリポートはもともとこのフォースゲーム用のものなんだな~」  フォース・ルールの<死神>大量上陸用に確保されていたヘリポート。
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