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17/攻防 1
紫ノ上島 紫条家本館 午前10時。
『こんにちは。サタンでございます』
島にある全テレビモニターにサタンの姿が映し出された。
『この放送が流れているという事は、私サタン・ルシファーは捕えられたか殺害されたかのどちらかでしょう。すでにお分かりかと思いますがこの放送は録画です。最初のルールであった<サタンを捕まえれば次のフォース・ルールについて教える>という約束に従い、フォース・ルールについてと今後の事について説明させてもらいたいと思います。質問には答えられませんし説明は一度だけですのでよくお聞き下さい』
録画されたサタンは、自分の身にアクシデントが起きたことを想定して喋っているが、全く動揺がない。
『まずフォース・ルールです。本日午後13時、この島に<死神>の大群が押し寄せます。その数、50人……4隊に分かれてやってきます。言うまでもありませんが全員が皆さんにとって脅威となる敵でございます。<死神>の数は今後これ以上増える事がないので御安心下さい』
「50!?」
片山が思わず零す。他の皆も同様に言葉も出ない。
「確かこの9時にも増えると言っていましたよね? あの時の数も入れると……」と河野が指を折る。
「煉獄一人で2人の<死神>が減るということですから」と篠原。
「ということはこの島には少なくとも今10人。他に前日から生き残っていた<死神>が今は2人でしょ? じゃあ島には12人。今度は…… 合計62人ってコト!? 冗談じゃないわ」
と宮村がモニターに向かって毒づいた。<死神>62人に狂人鬼が凡そ150人…… 合計200人以上が襲ってくることになる。
『御安心下さい。これはあくまでゲーム、貴方たちを虐殺するのが目的ではありません。いい話と悪い話を伝えましょう。まず一点、これは<死神>に関する事でございます。<死神>たちの目的は『この島で動く全てのモノ』でございます。つまり、徘徊する<呪われた人々>を狩るのも新たにやってくる<死神>たちの任務に含まれています。もっとも優先順位は皆さんですが。次に、今度やってくる<死神>の中には、非常に戦闘利欲の高い戦闘のプロの<大死神>が10名含まれています。この10人は外見も禍々しいので一目で分かると思います。<大死神>は積極的に皆さんを狩りに来ると思われますので気をつけるべきでしょう』
「………………」
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