プロローグ

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「敵を射抜け『ダークボルト』!」 そうこうしているうちに主が俺に対して魔法で攻撃を放つ。 普通なら転移魔法で逃げるのだろうが、俺が研究所に入った時点で転移を妨害する魔法を張っているためその選択肢はほぼ無い。 仮に転移を成功させたとしても、妨害魔法により想定した場所に転移出来る可能性も低く魔力も余計に消費してしまい結局は逃げられないだろう。 ならどうやって逃れるか。答えは俺を殺すか弱らせて妨害魔法を強制的に解除してから転移をすれば良い。俺が思った通り、主が放った闇と雷による複合魔法は威力、質共に中々の物だった、ただ残念だったのは相手が俺であったこと。 そして俺は簡単に魔法を受ける趣味は持ち合わせてはいない。……まぁ、今まで一握りだが俺の魔法を受け恍惚の表情を浮かべ「痛い……あぁ痛い」とか言っていた奴も居たが。 「……『ダークボルト』」 そう考えながらも俺は相手と同じ魔法を放つ。相手と違うのは魔法の発動の鍵である『敵を射抜け』を抜かした詠唱破棄で有ること。 発動の鍵については『敵を射抜け』が矢『敵を貫け』が槍『敵を切れ』が剣の様な役割を持つと言われている。……まぁ、俺は逐一詠唱等はしていないが。 それを感じ取った相手は一瞬期待の表情を見せるが、すぐに落胆の表情に変わる。 まぁ、詠唱破棄の魔法と普通に放った魔法が同士討ちとなれば落胆するのも仕方ない。
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