第2話 ゆれるおっぱいを攻略せよっ!

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「おーっほっほっほっ!」  屋敷内のモンスターを薙ぎ払いながら女王様風の高笑いをする俺。  ……言っておくが断じてそういう趣味があるわけではない。  鞭を振るいながら『おーっほっほっほっほ! 女王様とお呼び!』などと言いながら悦に入るような変態性癖の持ち主ではない。  違うから。  だから白い目で見ないでぷりーず。  俺は変態じゃない。 「おーっほっほっほっほっほっほっ!!」  ぴしっ!  ぴしぃっ!  ぱしぃっ!  鞭がしなる。  鞭が命中する。  モンスターが蹴散らされる。 「おーっほっほっほっほっほっほっ!」  最初は嫌でたまらなかったこの強制高笑いも、慣れてくれば癖になってくるなぁ。  ……などという内心を暴露してしまうと、間違いなく変態のレッテルを貼られそうだ。  というか俺がソロプレイに徹しているのはこれが理由である。  いやいや、こんなこと言う奴とパーティー組むとか嫌だろ?  俺だって嫌だぞ。  遅ればせながら、この高笑いは俺の意志ではない。  俺が使っている装備『女王様の鞭』の副作用だ。  女王様の鞭は俺が以前、『マリー女王の別荘跡』という屋敷ダンジョンで手に入れたお宝なのだが、これがまた強力極まりない武器なのだ。  かなりの攻撃力があり、攻撃範囲も広い。  自分よりもレベル差が10以上ある相手ならば一撃必殺が可能だ。  激レアアイテムであり、職種による装備制限もない。  誰でも装備することが出来る。  そりゃあ使うでしょ。  使わない手はないでしょ?  使っちゃいますよ。  ……ただし、凶悪な副作用があった。  女王様の鞭には凶悪な呪いがかかっていた。  それが呪いなのか、システム管理者の悪辣な趣味なのかどうかは分からないけれど、女王様の鞭は振えば振うほど、敵を倒せば倒すほど、プレイヤーに高笑いを強いるという代物だった。  俺の意志とは関係なく勝手に口が動く。  おーっほっほっほっほっほっ!  と高笑いしてしまう。  さながら鞭を振り回す女王様の如く。  マリー女王様はドSだったに違いない。  この鞭にはマリー女王様のドS残留思念が宿っているのだ。  と、勝手にそう思っている訳だが、あながち間違いではないと思っている。
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