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「おーっほっほっほっ!」
屋敷内のモンスターを薙ぎ払いながら女王様風の高笑いをする俺。
……言っておくが断じてそういう趣味があるわけではない。
鞭を振るいながら『おーっほっほっほっほ! 女王様とお呼び!』などと言いながら悦に入るような変態性癖の持ち主ではない。
違うから。
だから白い目で見ないでぷりーず。
俺は変態じゃない。
「おーっほっほっほっほっほっほっ!!」
ぴしっ!
ぴしぃっ!
ぱしぃっ!
鞭がしなる。
鞭が命中する。
モンスターが蹴散らされる。
「おーっほっほっほっほっほっほっ!」
最初は嫌でたまらなかったこの強制高笑いも、慣れてくれば癖になってくるなぁ。
……などという内心を暴露してしまうと、間違いなく変態のレッテルを貼られそうだ。
というか俺がソロプレイに徹しているのはこれが理由である。
いやいや、こんなこと言う奴とパーティー組むとか嫌だろ?
俺だって嫌だぞ。
遅ればせながら、この高笑いは俺の意志ではない。
俺が使っている装備『女王様の鞭』の副作用だ。
女王様の鞭は俺が以前、『マリー女王の別荘跡』という屋敷ダンジョンで手に入れたお宝なのだが、これがまた強力極まりない武器なのだ。
かなりの攻撃力があり、攻撃範囲も広い。
自分よりもレベル差が10以上ある相手ならば一撃必殺が可能だ。
激レアアイテムであり、職種による装備制限もない。
誰でも装備することが出来る。
そりゃあ使うでしょ。
使わない手はないでしょ?
使っちゃいますよ。
……ただし、凶悪な副作用があった。
女王様の鞭には凶悪な呪いがかかっていた。
それが呪いなのか、システム管理者の悪辣な趣味なのかどうかは分からないけれど、女王様の鞭は振えば振うほど、敵を倒せば倒すほど、プレイヤーに高笑いを強いるという代物だった。
俺の意志とは関係なく勝手に口が動く。
おーっほっほっほっほっほっ!
と高笑いしてしまう。
さながら鞭を振り回す女王様の如く。
マリー女王様はドSだったに違いない。
この鞭にはマリー女王様のドS残留思念が宿っているのだ。
と、勝手にそう思っている訳だが、あながち間違いではないと思っている。
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