第2話 ゆれるおっぱいを攻略せよっ!

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 という訳で俺は高笑いしながらダンジョン内を進んでいくのだった。  システム上、この高笑いがダンジョンの外に漏れないというのはとてもありがたい。  精神的に。  これがフィールド上のバトルだったらと考えるとぞっとする。  ナギなんかは面白いからいいじゃないかと大笑いしてくれるのだが、それにしたって燕尾服を着た執事が鞭を振り回しておーっほっほっほっほっなどと高笑いする様を楽しむのはどうかと思うぞ。  俺だってそんな自分の姿を晒したくはない。  だったら装備を変えてしまえよと言われそうだが、それも難しい。  一度この凶悪さを覚えてしまうと他の武器は握れない。  ソロプレイの時ならこの高笑いも癖になってきたし。  うん、大丈夫。  ソロに徹する限り俺のメンタルは安泰だ。  癖が快感に変わらないことを祈りつつ、俺はダンジョン攻略を続けるのだった。  屋敷ダンジョンの至る所に隠されているお宝は、どれも一級品ばかりだ。  貴族の屋敷という設定上、お宝アイテムが高価になるのは必然だろう。  これが執事ジョブの魅力でもある。  戦闘における際立ったメリットは少ないが、そこを乗り越えてダンジョン攻略できる実力が手に入った時の見返りはかなり大きい。 「おーっほっほっほっほっほっ!」  ぴしい!  ぱしいっ!  モンスターを蹴散らし、高笑いを続けながら進んだ先には当主のお部屋があった。  まあ、ぶっちゃけボス部屋なんだけどさ。  とりあえず回復アイテムを使用してHPとMPを万全に整える。  女王様の鞭は当然として、サブアームの確認もしておく。  ちなみにサブアームは執事らしくナイフとフォークでございます。  銀製じゃないけどね。  あんな金のかかる材質を武器として使えるか!  まあ聖属性が有効なモンスター相手なら使うけどな。  屋敷ダンジョンは執事しか挑戦できないということで、ボスモンスターの難易度はそこまで高くない。  ソロ攻略が基本である為、あまりボスのレベルを上げ過ぎると挑戦者がいなくなってしまうのだ。  もちろん、一人ではどうやっても倒せないような化け物ボスも存在するのだが、それは稀な例だ。  何回かは死に戻りするかもしれないが、それでもボス攻略は心躍る。
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