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その言葉が頭の中を反響する。
未来が……私の選択にかかってる……?
「よく聞いてください。これは事実です。僕がいた未来で実際に起きた事です」
彼は言い辛そうに顔をしかめた。
その表情を見ればすぐにわかる。
これから話されるのは楽しい内容なんかじゃないと。
「あなたの死後すぐに孫が生まれます。名前は奏(かなで)。奏は常軌を逸した天才でした。高校卒業時点で多方面に名を轟かせる程の存在となり、やがて天才科学者としてある研究を進める事になります」
「ある研究?」
「ウイルス研究です」
「……」
「本来は病原菌に対する抗体を作る研究だったはずでした。ですがその過程で凶悪なウイルスを人工的に作ってしまったのです。それが後にエルスウイルスと名付けられるウイルスでした」
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