第9話 閉塞的なミライ

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「ちょっとあんた!どうやって家に入ったのよ!」 「どうやってと言われましても、玄関から入りましたけど」 「鍵かかってたはずでしょ!?」 「あぁ、鍵は開けました」 これは完全に住居不法侵入、女の子の家に勝手に入るなんて、いくら未来人だからって許されるものじゃない。 「あと、掃除もやっておきましたよ」 「えぇ!?」 彼に言われて気付いたけど、いつも汚いこの部屋がまるで生まれ変わったかのようにピッカピカになっていた。 ゴミなんて一切なく、置きっぱなしだった洗い物もすべて綺麗になっている。 お風呂場へ行けばどこかのホテルの如く艶やかになった浴槽。 トイレも光沢を放つ程磨かれている。 「玲美さん、普段からもう少し綺麗にしておいた方がいいんじゃないでしょうか?」
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