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「嘘……」
彼が0をカウントするタイミングと同時に、黒い毛並みの猫が塀の上に飛び乗った。
その猫の四本の足は先端が白く、そして鼻も白かった。
それは間違いなく彼が予言した通り。
タイミングも猫の色も完璧に的中していた。
「信じてもらえましたか?」
猫がいた場所を調べてみても、そこに何か細工が仕掛けられているような様子もないし、猫もそのままどこかへ走って逃げて行ってしまった。
この男はもしかして……本当に未来を知っているんじゃ……。
「僕はあなたにお願いをしに未来から来ました。もう、何となく気付いてると思いますが……」
この男は私の前に二度現れた。
その度に私に告げたのは『その道を歩むな』というものだったはず。
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