第9話 閉塞的なミライ

7/21
前へ
/21ページ
次へ
「嘘……」 彼が0をカウントするタイミングと同時に、黒い毛並みの猫が塀の上に飛び乗った。 その猫の四本の足は先端が白く、そして鼻も白かった。 それは間違いなく彼が予言した通り。 タイミングも猫の色も完璧に的中していた。 「信じてもらえましたか?」 猫がいた場所を調べてみても、そこに何か細工が仕掛けられているような様子もないし、猫もそのままどこかへ走って逃げて行ってしまった。 この男はもしかして……本当に未来を知っているんじゃ……。 「僕はあなたにお願いをしに未来から来ました。もう、何となく気付いてると思いますが……」 この男は私の前に二度現れた。 その度に私に告げたのは『その道を歩むな』というものだったはず。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加