7.好きです

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すらりと長い指が、箱の中身を指す。 うぐっ。 たしかにそう、なんだけど。 露骨に聞かれると恥ずかしいというか、気まずいというか、それだけが目的みたいでなんか嫌だ! 「そうですけど、あ、もちろん、和真さんが嫌だっていうなら全然いいって言うか……」 「何もなしでいいの?」 「あー……、キス、くらいは、したいなぁ、とか」 ハハハハと笑ってみたけど、まじめな視線に口を閉ざす。 なんかこれ、面接みたいだ。 ぜひとも御社で働きたく、みたいな。 「キス、だけでいい?」 しばしの沈黙の後、うつむき加減の和真さんが上目遣いで聞いてきた。 はい、その顔、反則です。 和真さんがキスとか言うから、唇から視線が外せない。 キスだけでいいかだって? そんなもん、同じ男ならわかるだろ? いいわけねぇじゃん! 「正直言うと、それ以上もしたいっつうか……」 そもそもなんでこんな質問されているんだ? 和真さんは女が好きで、俺と付き合うとかそんな選択肢ないはずだろ?
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