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俺は今までに本気の恋愛をした事がなかった。
この時点で冴子とは付き合っていたが、その愛情は決して真実と言えるものではなかったから・・・。
ただ一緒にいる機会が増え、冴子が俺の事を愛してくれているから一緒にいる。
自分から誰かを愛する事なんて、今までに一度もなかった。
綾女の門限が近付き、窓ガラスに付着した雨粒で三楽通りのメインストリートのネオン看板がが煌びやかな瞬きを見せ始めた頃。
いつものように、彼女の携帯電話が着信音を鳴らした。
しかし・・・。
―――「いいの、ほっといて?
まだ、帰りたくないんだ・・・。」
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