My beloved iris

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しかし、綾女の幸せはそう長く続かなかったようだ。 浜松に移り住んだ翌年の8月、俺は友人の結婚式に参列するため北海道に帰ってきた。 その際に綾女と会った時、彼女の表情はどこか憂いを帯びていて・・・。 ―――「もう、ダメかもしれない・・・。」 心から愛して結婚したはずの相手。 しかし綾女の夫となった男は、結婚してから彼女に暴力を振るうようになっていた。 化粧品で若干カバーされた顔の痣。 車の助手席に乗る彼女の横顔に、時々それが浮かんでいるのが痛々しい。
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