7人が本棚に入れています
本棚に追加
ここ異世界っぽいですよ
(あれ?まだ酔ってんのか…いや、夢なのか…いや、酔いはさめてる…ということは夢なのか…え?え?)
俺は目から受けている情報を整理しきれずにいる。
なぜなら、少女を狙っている"そいつ"は
「ハァハァ…少女、少女マジ萌えたん…ポニーテール…ハァハァ」なんて言ってる変態ではなく、そもそも人間ではないのだから。
二メートルはありそうな体、盛り上がった筋肉、ここまでは人間でもいそうだが、体の色が緑なのだ。
もう○ッ○ロさんもびっくりな緑の肌。
俺が今いるのはそのモンスターの左後方。
なので、そのモンスターからは死角になるのだが先ほど大きな声で登場した俺に気づかないわけもなく、振り返ったそのモンスターと目が合う。
「っ!!」
俺はその瞬間ヘビににらまれたカエルとなった。
獲物を狩るようなギョロリとした眼光に鋭い牙が俺の本能へと危険信号を伝える。
(くそっ!腰が抜けてる場合じゃねぇのに!!夢だとしても少女が……!!)
夢だと思ってもこの状況でピクリともしない自分に怒りすら感じる。
その反面…(俺じゃ無理だ)(あの化物から助けられるわけがない)…と、思っている自分がいる。
俺のそんな葛藤をモンスターが待ってくれる訳もなく、自分の前で無抵抗にぐったりしている獲物を再度手に入れようと歩きだす。
最初のコメントを投稿しよう!