13人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後。
終業のチャイムとともに、会議は終了した。
会議は、私にとっては順調だった。
杉田さんを初めとするギャル達は、やると言い出したら止まらない。
勝手なほどのリーダーシップを取り、ほとんど独断に近い形でクレープ出店を強引に可決させた。
こうなることを分かってて彼女たちに任せた私には、常に誰かが非難の視線が送ったが、気には留めない。
文句があるなら言えばいい。
言わないなら私は知らない。
そう思って全部無視した。
「さて、と。」
クラスのみんなは帰ったが、まだ終わりじゃない。
先生方に出す企画書を書かなければならないからだ。
これが私は少し苦手で、なかなか言葉がまとまらない。
それだけならまだしも、行き詰まるとイライラしてくるのが悪い癖だ。
「出店の動機?
えっと・・・。」
杉田さんに聞いたが、ラクそうだからとか、自分がクレープ好きだからとかだった。
それじゃ突き返されるのは目に見えている。
せめてもっとマシな理由を一緒に考えてほしいと頼んだが、みんな足早に帰ってしまった。
曰く、
「会議ウチらで進めたじゃん。
丸投げしないでよ。
学級委員はアマネでしょ?」
らしい。
言いたいことだけ言い残して、カラオケ行くって去ってく背中は、突き飛ばしたいくらい腹が立った。
そもそも私も吉良君も、別の委員会に所属するつもりだったのに、誰も立候補しなかった学級委員に無理矢理回されたんだ。
それだって、杉田さん達が強引に決めたこと。
なのにそんな言い方って――
「はぁ・・・。」
私、またやってる。
またイライラして愚痴ってる。
こんなんじゃダメだ。
大きな溜め息をついて、気持ちを切り替える。
無駄なこと考えてないで、早く書かないと。
最初のコメントを投稿しよう!