Came back

4/15
前へ
/36ページ
次へ
もう一口カクテルを口に含んでみる。 上澄みのヴァイオレットリキュールの味がやや強い気がするが、やっぱりこのカクテルの風味はコーラにとてもよく似ていた。 「マドラーでステアすると味が変わるんだ。」 和也さんはカウンターの向こうからマドラーを差し出し、俺にグラスの中身をかき混ぜるよう促す。 言われるまま、俺はマドラーでクラデーションの掛った層を描くカクテルをステアした。 炭酸の泡が弾け、店内の照明に照らされてキラキラと液体の中を舞う。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加