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もう一口カクテルを口に含んでみる。
上澄みのヴァイオレットリキュールの味がやや強い気がするが、やっぱりこのカクテルの風味はコーラにとてもよく似ていた。
「マドラーでステアすると味が変わるんだ。」
和也さんはカウンターの向こうからマドラーを差し出し、俺にグラスの中身をかき混ぜるよう促す。
言われるまま、俺はマドラーでクラデーションの掛った層を描くカクテルをステアした。
炭酸の泡が弾け、店内の照明に照らされてキラキラと液体の中を舞う。
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