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薄曇が千切れ月明かりが白い背中を照らす。 一糸纏わぬ少女は白いカーテンの括られた窓辺に座った。 少し離れた所に立てられたキャンバスから時々青年が顔を覗かせる。 青年の目は少女の背にする窓硝子のようにひんやりと冷たい。 その視線は描く対象の輪郭を何度もなぞり、確かめ、几帳面にキャンバスに色を乗せていく。 一粒の星さえも鮮明に。
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