4人が本棚に入れています
本棚に追加
カゼを使い空を飛び倒れた人間の元へ降りれば駆け寄り
「大丈夫?」
声を掛け心配そうに人間の顔を覗き込み
『ん……』
人間は意識が無い様で眉間に皺を寄せ苦しげな表情をしている。
そんな人間の青年を良く良く見てみれば、あちらこちらに無数の切り傷や打撲があり…
「ちょっと待ってね?今楽にしてあげるから…」
ソッと顔を近付け…その人間の唇に自分の唇を交わらせ、其処から人間の口の中へ自分の舌を入れ人間の舌と絡めれば、人間の傷が徐々に消えていき…最後には傷痕も無く綺麗な肌へと変わり、ゆっくり口を離す。
「…ハァ…ン…綺麗に出来た♪…大丈夫?」
自分の術に満足げに笑み人間に声を掛ければ、人間はゆっくりと目を開き…
『…ん……ハァ…此処は…?君は…誰だい?』
まだ焦点が合わない様な目で嵐を見詰め首を傾げながら現状が理解出来ていない様子の人間に安心させる様にふわり笑み頭を撫で
「もぅ大丈夫だょ?此処は山奥で…私は嵐だよぅ♪ニコッ」
『…山奥…そうか…俺は…あれ?体が痛くない…?』
「私が治したんだょ☆ニコッ」
凄いでしょ?とドヤ顔で胸を張りニコリと笑むと人間は驚いた様に
『君が…?確か…嵐…だったよね?凄いね…有り難う。ニコッ』
ふわりと優しく笑み上半身を起こし嵐の頬を撫でる人間に、嵐は何だか照れ目線を泳がし
「ん…えと…元気になって良かった…」
『クスクス…嵐は可愛いね?そして綺麗だ…』
チュッ
人間は頬を撫でてた手を嵐の顎へとやり、自分の方へ向かせればソッと接吻をし
「なっ………えっ?」
嵐は吃驚し一層頬を赤らめソッと見詰めれば、人間はクスリと笑い
『俺は、聖(ヒジリ)宜しくね?』
「う…うん……」
これが嵐にとって人生初めての人間との出逢いだった……
最初のコメントを投稿しよう!