第1章 突然で迷惑な同居人

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 角を曲がると 2階建の青いドアが並んだアパートが見える。   アパートに着き エミイが「佐藤」と書いたドアを開ける。   玄関を上がると すぐキッチン。そこを通ると 8畳くらいの洋室。それは2人が住むにはちょっと狭い。   部屋はきちんと片付いていて、ソファにはギターが置いてあり、グループで歌っているエミイの部屋らしい。 エミイは楽譜をよけ、かおりをソファーに案内する。 突然の客にもエミイは あわてずおもてなし。 「お茶 飲む?」  「その前に何か食わしてくれ~っ」 「OK OK」  エミイはもらったお菓子をあけ、食べてから お茶を用意して、すぐお料理を始める。  かおりはだいぶお菓子をパクついてから 台所へやって来る。 「手伝おうか?」  エミイは 刻んだ野菜をフライパンに入れて 「うん。じゃあこれを混ぜて」 「いいよー」  返事はいいが かおりは鍋の物を混ぜて、中味を飛び散らかした。  エミイは あわてる。 「わ~っ、もういい!いい!手伝わなくていい!」  後の掃除を考えると 自分でやった方がマシだ。  エミイは手際よくかき混ぜ スムーズに料理ができて行く。同時にサラダもつくる。
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