第1章 突然で迷惑な同居人

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心配しないわけにはいかないまともなエミイ 「でも何で家出なんて?」 「あたし もう 20よ。親にも縛られたくないの。自分の夢を実現したいの」 駅前でミュージカル舞台のように 踊りだすかおり。 彼女がクルクル回ると 薄い長いコートも 少しひざ上のフレアスカートも ヒラヒラ 太ももまで舞い上がる。 駅を往来する人たちが驚いて見る。通りすがりに 目をちらつかせる おじさんたち。 「ちょっと~ここは駅前よ。知らない人が見てるわよ」 「いいじゃない。見たい人には見せてあげれば。何のために歌を学んたと思う?何のために ずっと踊ってきたと思う?」 人の目など気にせず かおりは優雅に手を広げて話し続ける 「未来の亭主のご機嫌取りして、パートで働いて 家事 育児するためじゃないわよね」 「違いそう」 「あたしにとって自由こそ幸せ!欲望こそ夢。あたしミュージカルスターになりたいの」 「あなたならきっとなれるわ」 「でしょう?夢をかなえに来たの。帰りたくないから泊めて」 「しょうがないわねぇ。ちゃんと家に電話してよ」 「分かった」 かおりは駅から電話する。 image=485556790.jpg
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