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心配しないわけにはいかないまともなエミイ
「でも何で家出なんて?」
「あたし もう 20よ。親にも縛られたくないの。自分の夢を実現したいの」
駅前でミュージカル舞台のように 踊りだすかおり。
彼女がクルクル回ると 薄い長いコートも 少しひざ上のフレアスカートも ヒラヒラ 太ももまで舞い上がる。
駅を往来する人たちが驚いて見る。通りすがりに 目をちらつかせる おじさんたち。
「ちょっと~ここは駅前よ。知らない人が見てるわよ」
「いいじゃない。見たい人には見せてあげれば。何のために歌を学んたと思う?何のために ずっと踊ってきたと思う?」
人の目など気にせず かおりは優雅に手を広げて話し続ける
「未来の亭主のご機嫌取りして、パートで働いて 家事 育児するためじゃないわよね」
「違いそう」
「あたしにとって自由こそ幸せ!欲望こそ夢。あたしミュージカルスターになりたいの」
「あなたならきっとなれるわ」
「でしょう?夢をかなえに来たの。帰りたくないから泊めて」
「しょうがないわねぇ。ちゃんと家に電話してよ」
「分かった」
かおりは駅から電話する。
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