第1章

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動揺しながらもテレビをつけ、馬鹿馬鹿しいバラエティーを見て平常心を取り戻そうとするのだが、一向に笑えない。 しばらくするとジャージ姿になった彼女が出てきた。 「こんなに買ってきていただいて……、ごめんなさい」 「い、いえ……。 何が必要なのか分からなかったので、コンビニで働いている知り合いに頼んだだけですから……」 何を言っているんだ。 ほとほと自分が嫌になる。 「あの、体調は……」 彼女の顔色はまだ優れない。 弱々しく笑った彼女は、小さく頭を下げた。 「シャワーを浴びたら、少し楽になりました。 本当に、ありがとうございます」 「具合悪いんだから、寝ていた方がいいんじゃないかな。 もし嫌じゃなければ、ベットを使っていいですから」 一応、毎日ベットメイクはしている。 汚いことはないのだが、男の寝ているベットに寝かせるのはどうかと思った。 しかし、床に寝せる訳にもいかない。 「そんな、私だけさっさと寝かせていただくなんて申し訳なくて……」 「だ、大丈夫ですから!! 寝てください!! 話は明日してくれればいいですから!!」 なぜだろう、顔が熱い。 「本当に、ありがとうございます」 「いや……」 「私、永井美咲っていいます」 「み、みさきさん……。 ああ、えっと、僕は……、天野友作です」 美咲はにっこりほほ笑んだ。 「友作さん。 お礼は必ずしますから」 「いえ、そんな、いいですから」 美咲は頭を下げるとベットに入って寝る体制を整えた。 「友作さん、おやすみなさい」 「う、うん、おやすみ……」 部屋の照明をおとし、テレビも消す。 友作はコートと薄いブランケットにくるまって眠ることにした。 ……しかし、落ち着かないなぁ。 テレビを見る訳にもいかない。 とにかくコートにくるまって寝ようとする。 朝までの時間が永遠に感じられた。
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