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彼女が濡れたままだと余計に体を冷やしてしまう。
泊まっていくなら、暖かいシャワーを浴びてもいいと彼女に言った。
彼女は何度も頭を下げながら風呂に入っていったのだが、友作は何とも落ち着かない。
クローゼットから大学時代に着ていたパーカーとジャージのパンツを取り出し、風呂の前に置く。
しかし、下着を貸すわけにはいかない。
友作は鍵を掛けてアパートを出ると、歩いてすぐのコンビニに向かった。
「いらっしゃい……、あれ、友作先輩じゃないですか」
そこでアルバイトをやっているのは大学時代の知り合い。
小説研究会で知り合った後輩の女の子。
ここでこの時間、彼女がアルバイトをしていることを僕は知っている。
だからこそ、ここに来たのだ。
「若菜、ちょっと相談があるんだ……」
「え、何ですか?」
「実はさ、今、部屋に女の子がいる」
「えぇっ!!」
大声を出す若菜。
慌てる友作。
雑誌コーナーにいたおじさんが不思議そうにこっちを向いたが、素知らぬふりをして立ち読みを続行した。
「うるさいよ……、騒がないで」
「だって、先輩が女の子連れ込むなんて明日は雪が降るんじゃないですか?」
「連れ込んだんじゃないよ。 なんか、何かから逃げてるみたいで。 びしょびしょのまま公園で倒れてたから、とにかく病院に連れて行こうとしたんだけど、お金がないから一晩家に泊めてくれって……」
「なんですか、それ」
「僕だってよく分かんないよ。 とにかく、今家でシャワーを浴びてるんだ。 着替えが無いから、一通り女の子が使うものをそろえに来たんだけど、そういうことが全く分からない」
若菜が訝しげに友作を睨みつける。
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