知らぬ間の闇

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時間は過ぎて19:00になっていた。 「あっ、もう帰らなきゃじゃない。?」 「別に家帰っても一人だし遅くなっても大丈夫だよ。」 「じゃあ、ご飯一緒に食べよ!」 「俺が作るから、待っとけ」 「えっ!いいの?ありがとう。」 「おう!俺料理の腕には自信があるからな。」 「フフ」 と、イズルが笑った。 「どうした?」 「いや、入学式から三日だけどスゴく変わったなーて」 「・・・お前の、お陰だよ。」 「ありがと!これからも笑っていてね!!」 と、イズルが眩しい笑顔をみせた瞬間 ドキンと胸が鳴った。 え?今のってまさか・・・・ 昨日から、おかしいだろオレ。 相手は男だぞ。なのに、ドキドキしてる 向けてくれる笑顔がうれしいなんて、 ヤバイ、顔アツ! 俺は、なんとか気持ちを静めて平常をたもった。 「野菜炒めと味噌汁」 「ありがとう!いただきまーす。」 「おう。」 「うーん、美味しい!!」 「ほんと、おまえ美味しそうに食べるな。」 「だって、ほんとにおいしいんだもん。」 そう言った、イズルの顔には米粒がついていた。 「ちょっと、こっち来い」 「へっなーに?」 「米粒付いてる」 といって、俺は米をとって自分の口に運んで食べてしまった。 !!!! 俺ほんと、何してんだよ! 自分でもおどろいて恥ずかしくなったがイズルは、気にもとめなかったようで、 「香、ありがと!」としかいわなかった。 よかった。気にしない性格で。 「じゃあ、流石に帰るわ。」 「うん・・・」 そう言ったイズルは暗い顔をしていた。 「どうした?」 「う、ううん、なんでもないよ。」 「嘘つくな。なんでもないなら笑え」 「うっ、だって言うの恥ずかしいよ。」 「なんだよ。」 「いや、離れちゃうの淋しいなって」 「・・離れたくないのか?」 「うん。」 「明日も、会えるだろ。」 「そうなんだけど、これから一人だから。」 「はぁ~、じゃあ今週の土日は一緒に泊まるか?」 「え?」 「これなら、今日一人でも土日のために頑張れるだろ?」 「うん、」 「よし、いい子だ」 と頭をなでた。 すると、イズルは嬉しそうに肩をすくめた。 「じゃあな、」 「うん、バイバイ!」 俺は自分の家に向かった。
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