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「………………」
「水紋…」
世界を創る四大竜
その始まりと終わりは唐突すぎて分からないことが沢山ありすぎる
見たいのに見えなくて、知りたいのに教えてくれない
竜の起こした事は気紛れなのか、それとも意味があったのかもすら分からない
でも、もしかしたら…
「私たちが何かしちゃったのかな…」
悪いことをしたら怒られるのは当たり前だ。だけど何を私たちはしたのだろう?
それに、怒るのは人天竜の仕事だし…何もしてくれなかったから違うのかな
だったら…なんで?
次々と湧いてくる疑問
黒い黒い文字の渦に飲み込まれそう
「…!!」
「水紋」
その渦に完全に飲み込まれる寸前
「…父さん」
気付くと私は父さんのガッチリとした腕の中にいて、潮の香りと温もりが伝わってきた
「…お前に何回も言ったが…考えることに夢中になり過ぎるな。周りを見て行動することを一番にしろ
お前のいいところでもあるが…やりすぎて俺らの声を聞いてないだろ?」
「…………」
父さんが私の両肩を優しく押して離れる
私と同じ、金髪に碧眼の父さんの顔を見上げると、微笑んだあとに遠くを見るように顔を上げた
つられて私も父さんの見た方向を見た
「…あ」
「水紋ー!!あなたー!!ご飯になりましたよ」
「母さん…」
父さんをもう一度見上げる
「な?…考えることはいいが、目の前のことを最初に見な」
私を抱き上げて舟を降りた父さん
「よし、朝ごはんだ」
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