第1章

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卵子提供。 言葉は知っていました。 野田聖子さんが卵子提供でお子さんを授かったことはニュースでも取り上げられていましたし、著作も読んでいました。 ただ、自分にはそこまですることなのか、という思いがありました。 著作からは、野田さんのお子さんへの深い愛情が伝わってきましたし、そういう家族のあり方もあってよいと思いました。 けれど、それは政治家や芸能人といったある意味特殊な立場の話で、自分には遠い世界の出来事だと思っていました。 子供が産みたいの? それとも、子育てがしたい? 養子でもいいの? 遺伝子のつながりが大事? 主人にいろいろと聞かれました。 一番は自分の卵子から産まれた子供を産みたい。 でも、それが無理なら卵子提供でも子供が産みたい。 それも無理なら、養子でもいいから子育てはしてみたい。 話し合いながら、自分の思いを形にしていきました。 「養子でもいいから」という表現は適切ではないかもしれません。 血はつながっていなくても、家族になりたいという思いでした。 子供が迎えられるなら、自分の血がつながっていなくても構わない。 そう思えるほど、私は子供が欲しかった事に気づいたのです。
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