第10話 悲しみとケツイ

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「それって……」 「あなたが未来を変えてくれるなら、僕はこの時代へ来る理由が生まれなくなります。それにより僕はここから消えるでしょう」 「もし、変わらなかったら……?」 「この時代で一生を過ごす事になりますね」 家族も、親戚も、友達すらもいないこの世界で、彼は一人で生きていく事になる。 想像しただけで悲しくなった。 彼はそこまで、何もかもを捧げる覚悟を持ってここにいるんだ。 最初はストーカーかとも思ったけど、それほど必死になる理由も今ならわかる。 「それで、今日は行くんですか?」 「え……?」 「佐々倉瑞希の所へです」 選択、人生を分岐する決断。 私の選んだ道が、瑞希君と駿、そしてイツキの人生をも巻き込んでいく。
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