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事の重大さはよくわかってる。
私の中に芽生えるこの二つの想いを犠牲にするか、未来の事を投げ出して、自分の本能の赴くままに生きるか。
「ねぇ、瑞希君を救う為には……私は瑞希君に嫌われなきゃいけないんだよね……?」
「はい、嫌われるというよりは失望させるという方が正しいかもしれませんが。あなたと佐々倉瑞希との間に、埋める事の出来ない深い溝を作れば……」
「でもそうすると私と瑞希君が結ばれる事は一生ない……」
「その通りです」
私は携帯を取り出し、画面に彼の番号を表示させる。
後は通話ボタンを押すだけ。
その指が震えていた。
もう私の中で答えは出てしまっている。
意を決して通話ボタンを押し、数コールの後彼が電話に出た。
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