第10話 悲しみとケツイ

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「け、けど!掃除と洗濯、あと料理もやってよね!それに寝るところはこの辺で寝なさいよ!変なことしたら警察呼ぶから!」 「はい、ありがとうございます。あなたの優しさが身に染みます」 見た事がない程の優しい男。 知的で、自分の人生がかかってるっていうのにどこか余裕を持っている感じで、同級生にはとてもいないような大人な男性。 今まで全く意識してなかったけど、私の彼に対する印象が変わった事で見方も変わってくる。 イツキはきっと、とてもいい人間なんだろう。 彼の人の良さは、会話をしているだけでヒシヒシと伝わってくる。 「じゃ、じゃあ私はお風呂入るけど、覗いたら殺すから!」 「はい、僕は夕飯を作っておきます」 お風呂に入りながら、彼がさっき言っていた言葉を思い出した。 「私が変えないと……イツキは帰れない……か……」
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