第10話 悲しみとケツイ

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私が未来を変えれば、その未来では孫の奏は生まれない。 生まれなければエルスウイルスなる物も作られないし、イツキがこの時代へ来る理由もなくなる。 そうなればイツキはこの時代には来ない事になり、ここにいるイツキは消滅する訳だ。 そしたら未来で違う人生を歩むイツキが新しく生まれる。 彼が未来へ戻る為には、私がその未来を作らなければならない。 「想いを犠牲にすれば……」 お風呂から出た後、彼の作った夕飯を食べて家を出た私。 七時集合と言われていたけど、私はあえて少し遅れて家を出る。 公園についた時は既に七時半。 それでも彼は私を待っていてくれた。 「……」 「ごめん、ちょっと遅れちゃった」
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