第10話 悲しみとケツイ

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嫌な女になっていく自分が嫌だ。 溢れだした涙が夜道へと散っていく。 家に帰っても涙は枯れる事はなかった。 「おかえりなさい、玲美さん」 「……」 こんなに悲しいのは両親がいなくなった時以来かもしれない。 「イツキ……私……瑞希君をふってきた……」 「そうですか……」 「これで……彼は助かるんだよね……?」 「……まだ……そうとは言い切れません。佐々倉瑞希はまだあなたの事を想っています。そして天城駿もあなたに近付いてくるでしょう……」 「私……まだあんな悲しい思いをしなくちゃいけないの……?」 「……はい」
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