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彼は正直だった。
未来を変えたいと本気で願っていた。
でも私には重すぎる。
背負ったもの、払う代償が大きすぎて潰されてしまいそうだ。
「ごめんなさい……。あなたに辛い思いをさせてしまって……。あなたには選ぶ権利があります。僕の事、未来の事なんて気にせず、自分の決めた道を歩いてもらっても構わないです。あなたが辛いのであれば僕の事は気にせず、思った通りに生きてください」
イツキはどこまでも優しい。
命を懸けてここまで来たというのに、私に無理強いはしない。
あくまで私の選択に委ねようと言う。
「いい……。もう決めたの……私は……」
私の中でもう決まっていた。
例えどんなに苦しい道だったとしても、私が選ぶのは……
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