第10話 悲しみとケツイ

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「そう……ここまで来るのに結構大変だったんだ。けど、私は……」 「強要は出来ません。僕はあなたの人生を台無しにする為に来たんですから。あなたがそれでも同じ道を歩みたいと願うのなら、僕はこの結末を受け入れるだけです」 「……」 彼がここまで来た苦労を考えると心苦しい。 死ぬかもしれない機械に乗ってわざわざここまで来たのだから、当然それなりの覚悟を持ってきたはず。 そこまでするほど未来は悲惨な状態なのかもしれない。 「ごちそうさまでした」 礼儀正しく手を合わせた後、すぐに洗い物。 家政婦を雇ったような感覚になる。 「早く食べ終わらないと遅刻しますよ」 「あっ!やばっ!」
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