第10話 悲しみとケツイ

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「そう」 私の口から出たのはそんな言葉。 彼の事が好きで、本当はあの映像のように彼と近付きたい、告白されたいと思ってる。 でも……でも……。 すべてを知ってしまった私は、軽はずみな返事を返す事は出来なかった。 私が彼と付き合ってしまったら、彼に不幸が降りかかってしまうから。 「待ってる」 「うん……」 学校が終わり家に帰る私。 少し落ち込んだ気分のままアパートのドアを開けると私を迎え入れる声がかけられた。 「おかえりなさい」 「げっ!あんた何やってんのよ!」 朝無理矢理追い出したはずのイツキが笑顔で私を出迎える。
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