第1章

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夕焼けが遙人を包んで… 穏やかな表情を見せる。 オレンジ色だから…? 一瞬も私の視線から逸らせないで、 あの頃と同じ表情を見せてる… 吸い込まれそう あの時。 あの祝賀パーティーの時。 あんな酷いことを言ったのに… 変わらない瞳は私だけを見つめて… きっとそんなのは私の思い過ごし。 なにを思い上がってるの? そんな風に自分に言い聞かせようとして… 「あ、のんちゃん!」 緩んだ手から、希の手が放れて、 遙人に駆け寄る。 それでも遙人は私を見つめたまま。 「危ないから! のんちゃん、走っちゃダメ!」 洋子さんの声でやっと我に返ると、 希は路地に差し掛かって… 爆音をあげてバイクが走ってくる。 ひかれる!! 「希!」 路地の真ん中で足が竦んで動けなくなっている 私は 駆け寄り希を遙人の方に突き飛ばした…
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