結菜1

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私達は校舎の2階にいた。 2階の、長い長い廊下。 そこには誰もいなかった。 私達は大きく出遅れていて、予定の「課題」を半分もクリアしていなかったから。 先に行ったクラスメイト達は皆、私ほど怖がりではなかったから、今頃は屋上で祝杯をあげている筈。 そう、ゴールは「屋上」だった。 3階の先にある「屋上」で、「古い人形」をスマホで撮影すること。 たったそれだけのことで、この悪夢は終わるのだ。 けれどゴールの手前には、まだ沢山の試練──チェックポイントがあって。 私達はあと2つあるそれを、力を合わせてクリアしなくてはならない。 …まぁ、主に。 足を引っ張っているのは「私」の方、なのだけれど。  
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