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「た…ただいま…」
学校を出てから家まで、とにかく一目散に逃げ帰ってきた。
例によってまたベッドにダイブ。
(落ち着け…落ち着くんだ僕)
冷静になろうとすればする程、無情にも頭の中でこだまするのは、アズマさんのあの言葉で。
しかも無駄に鮮明に、アズマさんの声そのものが脳内再生されてしまうから、落ち着くどころじゃない。
(けど、それだけ…愛されてる、って事だよね)
今朝から不安要素だったそれが解決されて、ほっとしているのも事実だった。
恋とかあんまりした事ないし、誰かと付き合った事もないから、愛するとか愛されるっていうのがどういう事なのか、まだよく分からない。
でも心からアズマさんの事を好きだし、思わず逃げ出してきてしまったけど、言われた言葉が素直に嬉しかった。
(今度はちゃんと言おう、うん)
あんな言い方じゃ誤解されたかもしれないし。馬鹿とか言っちゃったし。
「…あい、してる…」
試しに声に出してみたけど、その場面を想像したら恥ずかしすぎて、一人で撃沈した。
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