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「…え」
言わなくても…わかる…
だけど、
聞きたいの…
「渉さん…お願い…」
そこで再び唇が重なり、私の言葉は遮られる。
少し強引さを取り戻した唇が離れると、渉さんは言った。
「このままやるか?」
「…やる?何」…を…
渉さんの唇がまた邪魔をする。
「もちろん、…いいことだ」
「いいこと…」
「え!?あ、だ、ダメですよ!下には会長も、佐和子さんもいるんですから…」
「物音がするし…声も聞こえちまうし?」
「そ、そんなこと言ってない…です」
「俺たちもこの環境に慣れなきゃな。静かにやれば大丈夫だろ」
「無・理・で・す!!」
「…無理…。望愛、そうだよな。そりゃ無理だ。わかってんじゃねーか」
勢いで出た自分の言葉に顔から火が出るようだった。
「…俺の下でそういう顔すんな。俺もマジで…無理」
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