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そして、その翌日。
泊りがけで外出をしていた家政婦の佐和子さんが戻った。
佐和子さんが帰ってすぐに、会長がみんなでお茶にしようと言うので、私がみんなにお茶を入れた。
「桐谷さん、すみません。もう、私がしますから。…甘えてゆっくりしてきた上にこんなことまでさせて…。せっかくの休みなのに…本当にありがとう」
「いえいえ。私の方こそありがとうございます。すごく楽しかったですよ」
「…そう言っていただけると…」
そこに渉さんが言葉を挟む。
「サワさん、そんなにコイツに気を遣うなよ。これからはもっとコイツにいろいろやらせてサワさんは自由にしてよ」
「そんなこと言ったって坊ちゃま、そうそう簡単にお願いするわけにはいきませんよ。坊ちゃまは、もう少し桐谷さんに気を遣ってくださいよ」
「なんで俺がコイツに気を遣わなきゃなんねーんだよ」
「また…そんな口のきき方して。桐谷さんは坊ちゃまだけのものじゃないんですよ」
「いや、俺だけのもんだ」
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